FSDS概要
FSDSは監視カメラに映る火災の炎と煙を画像処理で早期に検出します。平時の映像上の、突発的に起きる火災のあらゆる現象を捉え、正確な分析の基に警報するシステムです。FSDSは映像上の環境を自動的に学習するので原則無調整型の監視となります。FSDSは4台の監視カメラ映像を同時に火災監視するものですが、LANネットワークにより大規模なシステムが容易に構築でき、統合管理が可能となります。

映像から火災感知が期待される背景と環境
煙感知器や熱感知器は、煙や熱がセンサーに到達することで感知しますが、煙と熱は外気の流れや空調・換気の流れで希薄化し、流向が変わることがあるので感知できないことがあります。また炎センサーは、火災と生活で使用する火気との識別ができません。スポット型感知器で感知が困難となる環境は、①高天井の建築物、②常時空調あるいは換気により空気の流れのある場所、③常時外気が流通する場所、④屋外や準屋外での場所、⑤常時火気を扱う場所などがあります。①〜④の環境は映像解析の火災感知が期待されています。

FSDSの原理
映像火災警報システムFSDSは監視カメラの映像から火災を検知するシステムです。画像解析技術を中心とし、様々な技術を含んだ機器を取りまとめてはじめて、火災警戒可能な力を発揮する、ひとつの組織系(システム)が構成 されます。
映像火災警報システムFSDSは監視カメラの映像を画像処理し、燃焼炎の事象判定に火災特有な拡散燃焼の特徴を捉え、その結果判断と精査で火災認識するものです。
火災で物質が燃焼するときには、多量のCO2が発生し、CO2共鳴放射と呼ばれる現象が起きます。CO2共鳴放射とは、CO2が熱のエネルギーを与えられたときに、安定的なエネルギー状態=基底状態から、エネルギーの高い状態=励起状態になる現象のことを指します。CO2は常に安定な状態を維持しようとするため、エネルギーを放出して基底状態に戻ろうとします。この時放射されるエネルギーは、赤色系の発光と赤外線として放射されます。
また、火災の炎には特有な揺らぎ(ちらつき)現象があります。拡散燃焼では、燃焼中に周囲の空気から酸素の供給を受け燃焼し、その繰返しの呼吸により揺らぎが生じます。
当該映像火災警報システムは、火災の炎を赤色系強発光体であることと、その発光体の揺らぎがみられることを基本特徴とし、炎探査過程での炎候補とします。炎の揺れ判定は炎(発光体)面積の時系列変化と炎内の発光強度(輝度値)の時系列変量からスペクトラム分析を行い、周期分布から揺れの妥当性を検定しています。
探査処理で炎候補が存在するとき、次にその炎候補の特徴量が蓄積時間の継続と孤立性、火元座標の変化などを確認して、継続時間に達したとき火災警報とします。
屋外火災の燃焼炎は、火元の環境すなわち風向風力により、風力が弱いときは層流拡散燃焼、強風下では乱流拡散燃焼と、その様相が大きくわかれます。当該システムはその様相の異なる現象を捉える工夫を装備しています。
また火災の炎からは熱エネルギーによる上空に舞い上がる煙が発生します。燃焼の物質の種類、油種、乾木材から水分含有の木材、その他の可燃物などの燃焼物により、白煙から黒煙まで様々な煙の状況が生じます。また燻焼や電気火事のように煙だけの現象もあります。
空間に拡散流動する透過性の煙から濃煙の動きは、画素単位の推定速度ベクトルの分析と輪郭特徴及び、平時の環境特徴との差異の判断で煙を捕捉しています。
また剛体、非剛体運動の識別をしている煙認識のため、人物、車両等の移動物体や照明変動の影響を受けません。

FSDS機能、特徴
◆ 出火直後の小さな炎を検出
◆ 火災の拡散燃焼の特徴を捉えるので、ライター・蝋燭・コンロの炎と識別(非火災報知の抑止)
◆ 希薄な煙(透過性煙)から濃煙まで検出
◆ 撮影空間に火源が映らず、何れかから流入する煙を検出
◆ 火元から舞い上がる煙、くん焼火災の煙も検出
◆ 火元の炎と煙を同時に検出
◆ 出火直後の異常を検出後、引き続き蓄積時間中に異常が継続したことを確認したなら火災警報を出力(非火災報知の抑止)
◆ 蓄積時間中にプレ警告の出力
◆ 平時の経常火気をマスクする機能
◆ 監視カメラ前の故意による隠蔽を検出
◆ 映像の揺れ、コントラスト劣化、ケーブル断線を検出。画面に警告表示(op:出力)
◆ 警報発報蓄積開始前後の5分間、計10分間の画像を記録(火災原因の分析に利用可能)
◆ FSDSの2次電源により停電でも30分間稼働

FSDS仕様書

No項 目仕 様
1製品型名FSDS
2映像入力系統4
3火災監視同時処理数4
4火災警報出力リレー接点:1系統/端子台出力
4系統映像の中で何れかに火災検出したときON出力
蓄積時間経過で出力。警報停止操作まで出力保持
5プレ警告出力リレー接点:1系統/端子台出力4系統映像の中で何れかに異常を検知したとき
ON出力異常検知中だけ出力。断続的出力もあり。
6火災警報に至る事象F:火災の火炎(拡散燃焼)検出
S:希薄な煙から濃煙検出
FまたはSの個別検出、及びF、S同時検出が蓄積時間継続したとき
火災警報の出力
7火災監視範囲30m×30m (30平方m)
8火災監視距離5m〜400m レンズ焦点距離fの選択となります。
9初期設定項目
(ユーザ設定項目)
(監視禁止エリア指定)
ユーザ設定
1.1〜4監視カメラ毎の設置場所の区域名称入力
2. 蓄積時間の設定:10秒/20秒/30秒の選択設定
3. 静止画記録の有無

監視禁止エリアの設定・・・
  監視範囲において平時でも火煙が存在する領域 をマスクする設定
10映像信号の障害検出1. 監視カメラの揺れ検出
2. 映像品質の劣化
3.人為的な視野隠蔽
1〜3の何れか検出で火災監視の初期化へ移行
11静止画記録、ログファイル火災警報出力の前後10分間の静止画を記録しています。
発報時刻、検出要因等の記録ファイルを生成します。
12映像入力信号NTSC準拠アナログカラー・コンポーネント・コンポジット映像信号
13映像入力接栓BNC 75Ω
14警報出力端子3Φ圧着端子で接続
15VGA出力VGA 15P/DSUB
16マウス/キーボードUSBポートに接続
17筐体寸法、重量外形寸法:426(W)×148(H)×400(D)(突起部除く)
重量:9.5kg以下
18動作温度、湿度温度:0℃〜40℃
湿度:10〜85% 但し結露なきこと。
19電源、消費電力電源:AC100V±10% 50/60Hz
消費電力:150W以下(FSDS主装置本体)
20付属2次電源UPS500W/UPS
21付属モニタ21吋ワイド液晶モニタ
22OSWindows 10
23LAN10base、100base、1000base

注記) 性能改善のため予告なく仕様の改訂することがあります。